日本原子力学会 計算科学技術部会

Computational Science and Engineering Division, Atomic Energy Society of Japan
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  • 2012年春の大会 計算科学技術 一般セッション報告

    2012.4.27 巽 雅洋 コメント無し

    2012年3月21日(水)  10:20~12:00 F会場

    F37 GPU を用いた超臨界圧流体のLES 解析手法の開発

    (JAEA) ○小野寺直幸, 吉田啓之, 高瀬和之

    本研究ではラージエディ・シミュレーション(LES)を用いて、超臨界圧流体の高精度な熱流動解析手法の開発を 目的とする。本報では、擬臨界点近傍での超臨界圧水のストリーク構及び乱流統計量について示す。

    F38 VOF モデルによる液々向流型遠心抽出器内の油水分散流動解析

    (東工大) ○中瀬正彦, 竹下健二

    液々向流型遠心抽出装置内の油水分散挙動を VOF モデルで解析し、運転パラメータ(内筒回転数)、物性値(粘性、界面張力、内筒の濡れ性)が流動に及ぼす影響を考察し、抽出率の向上する条件について検討した。

    F39 ガス巻込み現象の直接数値解析に向けた手法の開発(5);ガス巻込み流量の定量評価

    (JAEA) ○伊藤啓, 大野修司, 上出英樹, (京大) 刀資彰, (信州大) 小泉安郎, (NESI) 河村拓己

    Na冷却高速炉炉におけるガス巻込み現象の再現を目的として,非構造格子を用いた高精度気液二相流数値解析手法 の開発を進めている.本件では,ガス巻込み量計測基礎実験を対象とした検証解析の結果について報告する.

    F40 プログラミング言語AIDA とモデリング環境

    (会津大) ○渡部有隆, Nikolay Mirenkov, 寺坂晴夫, 吉岡廉太郎, 角山茂章, (JNES) 遠藤寛, 帶刀勲

    計算モデルとアルゴリズムをピクチャによる拡張文字と動画を用いて直接記述することができるプログラミング 言語 AIDA の開発を行っている。AIDA モデリング環境におけるエディタ、ライブラリ、コード生成器の開発の現状 を報告し、事例研究として流体解析コードを適用することで AIDA によるプログラムの簡潔さと透明性を示す。

    F41 格子―粒子ハイブリッド法による液膜流の3次元解析

    (東大) ○川上俊弘, 間所寛, 石渡祐樹

    格子-粒子ハイブリッド法を用いて傾斜平板上の液膜流を3次元解析し、液膜流の性質の解析性能を検討した。

    F42 Development of a Hybrid Method for Numerical Simulation of Multiphase Flows with Rich Solid Particles

    (Kyushu Univ.)○ Lian Cheng Guo,Koji Morita, (JAEA)Yoshiharu Tobita

    A hybrid method for multiphase flow analysis is developed by coupling the multi-fluid model of SIMMER-III with the discrete element method (DEM). Numerical simulations of dam-break behavior with rich solid particles show reasonable agreements with corresponding experimental results.

  • 2012年春の年会における合同企画セッションの報告

    2012.4.24 巽 雅洋 コメント無し

    日本原子力学会2012年春の大会3日目の 3月21日(水) 13:00〜14:30 において,計算科学技術部会と熱流動部会合同セッション「我が国における軽水炉シビアアクシデント評価技術の今後」が開催されました。当日の様子について概要を報告いたします。(資料はリンクからダウンロードできます。)

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    座長の岡本東大教授から挨拶があり,本セッションでは3件の講演がある旨の説明がなされました。

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    本企画セッションには,計算科学技術をどのように原子力の研究開発に役立てていくのかというテーマが根底にあり,シビアアクシデント解析・予測に対して高い関心がもたれている中,多くの聴衆が集まり,講演後にも多くの意見が出されました。

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    (1) 我が国のシビアアクシデント対策の変遷 (東京大学) 西脇由弘氏

    福島事故が起こった背景,要因を考える必要があり,それを踏まえた上で未来への提言が行われた。

    1.AMをめぐるこれまでの議論について

    二段階審査となった背景,TMI事故やチェルノブイリ事故以降の安全審査における日米の対策の差異,90年代における日本のアクシデントマネジメントに対する意識の風化と米国の潮流からの乖離等について歴史的な流れが説明された。その上で,日本における確率論的安全評価への対応の遅れや一貫性の無さが事故が起こった一つの要因であり,また,保安院とJNESの関係についても様々な問題を有していることが指摘された(例えば,規制実施機関と専門性集団の連携不足)

    2. 環境省原子力規制庁の考慮事項について

    福島の事故で明らかになったことは,日本の規制組織(体系)とそれを支援する各団体の構成(枠組み)に問題があるということであり,緊急時対策も不十分で規制機関に専門性が欠けていた事が指摘された。その上で,今後日本の規制を変えるためにどのようにすべきか(どのようなメンタリティを持つべきか)について述べられた。

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    (2) 我が国における軽水炉シビアアクシデント評価技術の今後 (エネルギー総合工学研究所) 内藤正則氏

    我が国における軽水炉シビアアクシデント評価技術の今後について俯瞰する内容での講演がなされた。まず,シビアアクシデントの定義から始め,日本ではアクシデントマネジメントは電力会社の自主的な対応が期待されており,規制的措置としては要求されていない事をについて指摘があった(外国では規制要求となっている)。また、安全研究の歴史を概観して,日本のSAFE Projectは世界的に見ても先駆的な研究であったが徐々に下火になったという経緯がったことが指摘された。(安全研究は後ろ向きであり,国民の不安をあおり,原子力のアクセプタンスに有害であるという考え方が産業界に多かったためと解説) 事故解析コードの開発は概して欧米では積極的に行われ,日本で開発されたものはTHALES(JAEA)やSAMPSON(NUPEC→エネ総研)がある。1つの問題点として,特定の解析項目が未知である場合に解析条件等の設定をどうすべきかという問題が残る。さらに,これまでの解析コードで福島事故を再現できるかというと難しく,モデル追加あるいは改良を要する部分があると指摘している。また,安全解析コードに含めるかどうかは別として,海水中のNaCl溶融によるアルカリ腐食の問題,および再臨界の可能性について,それが評価できる解析コードの不在を指摘した。

    「SAMPSONコードが使われなくなった経緯は?」との質問に対し,「発電所の裕度を確認するために整備したコードであり,その目的が達成された段階で整備は実質的に終了していた。コードの保守改良が必要であるが,それに対する予算はなく,自主的な対応とせざるをえなかった。福島の解析も十分ではないと認識している。」との回答があった。

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    (3) 軽水炉シビアアクシデント評価技術の課題 (大阪大学) 片岡 勲氏

    シビアアクシデントの基本的な物理メカニズムの理解とモデル化はこれまである程度適切に行われており,福島事故の進展も想定していた通りであった。特に,燃料溶融前後までの現象については,既存コードにて解析可能である。しかしながら、個別の炉についてシビアアクシデントがどのように進むのか、またどの現象が起きて,どの現象が起きないのか評価するには十分ではない。 例えば,燃料棒ヒートアップ挙動については,ギャップコンダクタンスやZr-水反応モデルにおける感度が大きく,炉心の崩壊熱の正確な評価に対してはモデル化の一層の高度化が必要である。また,溶融デブリの冷却メカニズムの把握とモデル化,ソースターム評価において燃料内FPの放出挙動の把握とモデル化等が重要重要である。さらに,デブリ・コンクリート反応挙動や水素燃焼挙動の様に,ある程度の現象把握はできているがまだ分からない機構もある。現状として,個別の現象については評価する技術はあったが,全体的な予測ができないというレベルである。今後は,現象解明にむけて研究とスケーリングが重要である。

    「どのような実験を行うべきか,解析側との協議が必要である。」や「複雑な現象であり精度を上げることが困難な場合がある。」等のコメントに対し「PIRTを作ることが重要。また,V&Vが必要である。」とコメントがあった。

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    短い時間の中で議論は尽きませんでしたが,軽水炉シビアアクシデント評価技術に対する問題点の現時点での総括という意味において,一石を投じることができたのではないでしょうか。今後も本部会における活動を通じて,さらなる議論を展開していきたいと考えます。

  • 第9回(2011年度)部会賞 贈賞報告

    2012.3.31 巽 雅洋 コメント無し

    表彰小委員会委員長 山口 彰(大阪大学)

    選考経緯

    部会メーリングリストおよび部会ホームページを通して、本年度部会賞候補者の募集を平成24年2月10日(金)締め切りで行いました。その結果、部会功績賞、部会業績賞、部会CG賞、部会奨励賞、部会学生優秀講演賞に複数名の推薦がありました。

     

    平成24年3月07日(水)までに表彰小委員会をメール等で開催し慎重に審議致しました。その選考結果を部会運営委員会にお諮りし、最終的に、部会功績賞1件、部会業績賞1件、部会CG賞該当無し、部会奨励賞3件、部会学生優秀講演賞該当無し、を決定させていただきました。その結果は以下の通りです。

     

    部会功績賞

    計算科学技術分野において幅広くかつ顕著な貢献のあった個人を対象とし、毎年1名以内とする

    受賞者名:内藤 正則(ないとう まさのり) 氏(エネルギー総合工学研究所)

    業績名 :「機構論的モデルに基づく原子力安全解析技術の構築に関する先駆的貢献」
    (英訳)Pioneering Contribution on System Development of Nuclear Power Plant Safety Analysis based on Mechanistic Models

    贈賞理由:
    内藤正則氏は、機構論的モデルに基づく原子力安全解析ソフトウェアの開発を主導し、長年にわたる計算科学技術分野における功績は顕著である。特に、IMPACTソフトウェアシステムの開発においては、安全解析に係る多くの学術分野の機構論的モデルにより構成される解析コードを10 年計画にて完成させた。また、流動加速型腐食による配管の減肉の問題にも機構論的モデルにより取組み、配管減肉解析コードDRAWTHREE の開発の牽引役を果たした。IMPACT のCAPE やSAMPSONは、OECD/NEA が主催する国際ベンチマーク問題にて極めて優れた検証結果を発表し海外から高く評価されたほか、USNRC にも提供され、参照コードとして使用された。福島第一原子力発電所事故後には、SAMPSON のよりシビアアクシデントの事象進展評価や再臨界評価等適用し、その技術力を示した。内藤正則氏は、計算科学技術分野にて原子力学会賞(論文賞、技術開発賞、技術賞)を3 度にわたり受賞したほか、2006年度には計算科学技術部会長として部会の発展に貢献した。2006 年の「シビアアクシデントに関する国際会議」主催する等、国際会議の運営や企画における貢献も特筆すべきものがある。

     


    部会業績賞

    計算科学技術分野において顕著な学術または技術上の業績のあった個人またはグループ(連名)を対象とし、毎年2件以内とする。

    受賞者名:守田 幸路(もりた こうじ) 氏(九州大学 教授)
    業績名 :「炉心溶融事故における多相多成分流のシミュレーション技術の高度化」
    (英訳)Improvement of Simulation Technology for multiphase multicomponent flows in core melting accidents

    贈賞理由:
    守田幸路氏は、ナトリウム冷却高速炉の炉心溶融事故における多相多成分流の解析コードの開発及び検証を行い、次世代炉開発におけるシミュレーション技術の高度化に大きく貢献するとともに、世界的にも注目される研究業績を挙げた。炉心溶融事故は、超高温状態で溶融・固化と蒸発・凝縮が複雑に連関する現象であり、急速に炉心物質が移動する過渡現象であることから、実験で解明できない場合が多い。守田氏は、マクロコードであるSIMMER-III の多相多成分流のモデル化を行い実機適用可能なレベルにまで高度化を図るとともに、最新のシミュレーション技術である粒子法に基づいた多相多成分流解析コードを開発し、固化現象のミクロな挙動を解明することを可能にした。シビアアクシデント研究はますます重要度が増すと考えられ、原子力安全分野における国内のみならず国際的貢献は大きい同氏の業績を高く評価する。

     

     

    部会CG賞

    原子力の計算科学技術分野において結果の表示・可視化について優秀な業績のあった個人またはグループ(連名)を対象とし、毎年2件以内とする。

    該当無し。

     

     

    部会奨励賞

    計算科学技術分野において顕著な学術または技術上の業績のあった40才程度まで(平成23年3月31日において)の個人を対象とし、毎年3名以内。

    受賞者名:高田 孝(たかだ たかし)  氏 (大阪大学)
    業績名 :「高速炉マルチフィジックスシミュレーション手法の開発」
    (英訳)Development of simulation methods for multi-physics phenomena in fast breeder reactors

    贈賞理由:
    髙田孝氏は、高速増殖炉の熱流動現象の数値解析手法開発にて優秀な業績をあげた。多次元混相流と化学反応が相互作用する高速炉特有の事故事象であるナトリウム漏洩・燃焼現象をメカニスティックに解く手法を世界に先駆けて開発し、計測の困難さから実験単独では困難であった現象の機構論的解明ならびに様々な予測評価に大いに貢献した。また、構造材への熱的影響を詳細に分析し設計の最適化に寄与することを目的としてラージ・エディ・シミュレーション手法を開発、当時の計算機処理能力でも工学的利用に十分耐えられるよう、計算時間と精度のバランスを勘案した壁近傍モデルも新たに考案した。さらには、高速増殖炉の事故事象評価の最難関の1つである蒸気発生器伝熱管破損事象に対して、不足膨張により音速を超えて噴出する水・蒸気と周囲のナトリウムで形成される反応ジェット挙動を取り扱える多成分多相流の解析手法を並列技術を駆使して開発、これも世界に先駆けて多次元数値シミュレーションを可能としたものであり、これまで実験による実証という手段しかなかった事象評価に対して機構論的分析手段を提供した。高速増殖炉における熱流動関連の現象解明ならびに安全設計評価に対して、世界の先駆けとなる数値解析手法を複数開発・提供するとともに、数値解析技術進歩の牽引役として大いに貢献してきた。高田氏の今後の研究の進展ならびに計算科学技術分野のおける活躍と貢献が期待できる。

     

    受賞者名:巽 雅洋(たつみ まさひろ) 氏(原子燃料工業株式会社)
    業績名 :「細粒度並列計算アルゴリズムに基づく中性子輸送計算コードの開発と実炉心設計への適用」
    (英訳) Development of neutron transport calculation code based on a fine-grain parallel algorithm and its application to actual reactor design tasks

    贈賞理由:
    巽雅洋氏は、多群輸送ノード法に基づく三次元詳細メッシュ炉心計算コードSCOPE2を実用化し、炉心設計精度の大幅な向上を果たした。計算の高精度化に伴い、計算負荷が著しく増大する課題に対し、並列計算機の利用を前提とした細粒度並列計算アルゴリズムを開発し、設計現場で利用可能な高い並列性能と実用的な計算時間を両立させた。また、計算コードのライフサイクルの長期化に備え、高保守性の実現に向けたオブジェクト指向設計を目標に据え、並列入出力による外部記憶管理、スカラプロセッサ向けの最適化、GPUを用いた計算アルゴリズム開発を行っている。さらに、V&V(解析コードの体系的検証)に注目し、炉物理分野の解析コードのシミュレーション信頼性の分野においても独自の方法を提案している。巽氏は、炉心設計の高度化のための多群輸送ノード法の発展を通じて、炉物理分野における計算科学技術研究を着実に実施していることに加え、計算科学技術部会の運営委員としても活躍しており、今後の活躍と貢献が期待できる。

     

    受賞者名:横山 賢治(よこやま けんじ) 氏(日本原子力研究開発機構)
    業績名 :「高速炉用オブジェクト統合型解析システムMARBLE 1.0 の開発」
    (英訳) Development of MARBLE 1.0, the object-oriented analysis system for fast reactors

    贈賞理由:
    横山賢治氏は、2003 年から最新の計算技術であるオブジェクト指向プログラミング技術を取り入れたMARBLE システムの開発に取り組み、開発チームのリーダーとして技術・運営の両面から中心的役割を続け、2010 年春にVersion 1.0 を完成し公開した。開発したMARBLE 1.0 は、公開され、複数の大学やメーカーにて供用されている。横山氏は、高速炉核特性解析システムの普及や利用サポート、システムの柔軟性や拡張性・作業効率の向上にも積極的に取り組んでいる。その成果は、国内学会等やOECD/NEA 専門家会合などで積極的に報告している。炉物理国際会議PHYSOR2008 ではBest Poster Award 候補としてノミネートされるなど、国際的評価も高い。横山氏は、計算科学技術分野の発展と技術の普及に高い意欲と関心を持っており、今後の活躍と貢献が期待できる。

     

     

    部会学生優秀講演賞

    計算科学技術分野において、他の模範となる講演を行った学生を対象とし、毎年4名程度とする

    該当無し。

     

  • 平成23年度部会賞表彰式及び第2回全体会議

    2012.3.28 巽 雅洋 コメント無し

    2012年春の年会3日目である321日の12:0013:00 F会場にて,平成23年度部会賞表彰式が執り行われ,山口部会長から受賞者に表彰状が授与されました。その後,2011年度の活動報告および2012年度の活動方針と役員紹介が行われました。引き続いて,竹田元部会長より計算科学技術部会10周年特別講演がおこなわれました。(リンクや写真をクリックすると,それぞれダウンロードできます)

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  • 第9回(2011年度) 部会賞受賞候補者推薦の募集期間の延長

    2012.2.1 巽 雅洋 コメント無し

    部会賞の対象に一部変更が生じておりますため、1月16日付けでアナウンスがあった募集について、期限を2月10日(金)まで延長いたします。

    所定の推薦書および詳細は,前回の募集記事をご覧下さい。